不動産証券化の仕組み

不動産証券化の仕組み不動産を証券化する基本的な仕組みを理解するために、ここではSPC法による不動産の証券化を取り上げて説明する。日本では、1998年9月に「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」(通称SPC法)が施行され、2000年11月には改正SPC法(法律名も「資産の流動化に関する法律」と改正)が施行された。この仕組みの骨組みを、先ほどの企業の例を用いて説明する。まず、①企業(オリジネーター)は証券化しようとする対象資産を特定化し、企業のほかの資産から分離して特定目的会社(以下SPC〔SpecificPurposeCompany〕と呼ぶ)に譲渡する。あるいは、いったん信託銀行に信託し、信託受益証券にしたうえで譲渡する。②SPCは特定資産(貸ビル)をどのように運営していくかを決めた「資産流動化計画」などに基づき、リスクがコントロールされた何種類かの特定資産対応証券を発行する。これらの証券には、利子は小さいけれど元利金の返済を優先してもらえる安全な債権から、利子が大きいかわりに返済については遅い順位にある債権や出資証券(エクイテイ)までいろいろなタイプがある。③投資家は、先述の数種類の特定資産対応証券(通常、格付け機関から信用リスクについて格付けを取得する)のなかから、自分が投資したいタイプの証券を購入する。一般に、投資はいろいろなリスク特性を持つ投資対象を組み合わせて運用したほうが、安定した収益(リターン)を得られる。投資家は、ほかの投資商品(普通の株式や債権)と異なるリスク特性を持つ不動産証券を、自分にとって最適な組み合わせになるように選択し、購入することができる。

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