土地資産のリストラクチャリングの例

土地資産のリストラクチャリングの例は、ほかにもたくさんある。規模が大きいものでは、大手鉄鋼メーカーの工場施設や工業団地が、総合的なレジャーセンターに変身したものもある。住友金属工業の土地(大阪市)がユニバーサル・スタジオ・ジャパンに、新日本製織の土地(北九州)がスペース・ワールドに変わったのがその1例だ。土地を担保に融資を得て事業を行い、事業で得られた資金でまた土地を購入してさらなる融資を獲得するというふうに、土地を担保にした融資は、バブル経済崩壊まで積極的に進められていきた。節税のための土地利用バブル期に、もう1つ土地利用を促進する原因となったものがある。地価の上昇で土地の含み益が増える場合、課税上の評価額が高くなり、固定資産税や相続税などの負担が大きくなる。そこで貸ビルや貸マンションなどの上物を作って土地を有効に利用することにより、節税が図られる場合があったのだ。つまり、節税対策の面からも土地利用が促進された。これについて、簡単な例をあげたい。中小企業のオーナーである経営者に、相続問題が起きたケースを考えてみる。その会社の事務所や工場の敷地が値上がりして大きな含み益がある場合、オーナーの持株の相続については、その土地の含み益のために株式の評価も高くなり、相続税の負担が相当に大きくなってしまう。